斎藤一という男
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斎藤一という男
京、伏見の大宿「寺田屋」の一室で、昼になっても起きてこないぐうたらな男。
浪人、斎藤一。
その日も斎藤は、寺田屋の女将・お登勢、女中のおりょうに無理矢理起こされると、博打を打ちにでかけるのだった……。
数刻後、斎藤にひっそりと近づくひとりの男。
男は耳打ちをするように言う。
「今日も博打打つふりして犯人探しの道場巡りですか?」
表情を豹変させる斎藤。相手を射殺すような目で見ると、ボソッと呟く。
「親っさんを殺した男、あの剣を使う男は何処にいるんだ……」
斎藤一、その真の名は坂本龍馬。
名を変え素性を隠し、京に潜伏する男が追うは、一年前土佐で起こった政変の夜、父と慕う恩師を目の前で斬り殺した謎の剣士……
土佐を愛し、土佐に裏切られ、土佐を捨てた坂本龍馬の、命を懸けた復讐の闘い。
龍馬は決意する。
京で最も強い剣豪が集まるといわれる、もっとも危険な場所に飛び込むことを……。
街に血の雨を降らす最強の人斬り集団「新撰組」。
坂本龍馬の名を捨てた、斎藤一という男の新たな人生が、始まろうとしていた。
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